『周公解夢』の扉文に挙げられた、中国を代表するともいえる五つ(実際はもう少し複数)の夢に関するエピソードが、夢解きの第一歩としての、パターンや類型の一部を提示しているように、『周公解夢』及び中国の夢判断・夢占いの根底にある、夢の15の類型を説明します。
・直夢
夢で見たものが起こる、夢で見た誰かに実際にも会う、ということ。人の夢は全て象徴的なもので、様々な意味合いを含むものや、直接的なものがあるとされ、「直夢」はその直接的な暗示の夢を指します。
・象夢
夢の中での出来事を象徴的な手段を通じて表現するものです。天に登る夢を見たとすれば、実際には天というものはないので、何らかの象徴であることが考えられます。この場合、天は健康、富貴、帝王を示している可能性があります。
・因夢
睡眠時の五感に対する刺激によって夢を見るという考え。陰の気が満ちている時は大水の夢を見、楊の気が満ちている時は大火の夢を見、帯を締めて寝れば蛇の夢を見、飛ぶ鳥をイメージして寝れば飛ぶ夢を見るということになります。
・想夢
自分の想っていることがそのまま夢になって現れること。心のうちで強く念じ、想っていれば、「日々それを想い、夢にも見る」状態になります。
・精夢
精神状態が見させる夢。その時々の精神状態によって、念じとことん想って見る夢であって、その意味では、「想夢」の一種。
・性夢
人の性情や好悪によって見る夢。これは夢を見る原因を言ったものではなく、夢を占う時の態度について言ったもの。
・人夢
同じような夢の内容でも、見た人が違えば、その意味も違ってくるということ。
・感夢
気象条件などによって作り出される夢。
・反夢
真逆の夢。陰極が吉で、陽極が凶。「邯鄲の夢」が好例で、こうなればいいな、というような夢の内容は、実は現実社会ではそうなっていない、ということ。中国では古来より、人が夢見る中で、最も多いパターンとされている。
・籍夢
託夢とも。神霊や祖先が夢を通じて自分の吉凶や禍福を示してくれる夢。
・寄夢
Aさんの吉凶禍福がBさんの夢に出てきて、Bさんの吉凶禍福がAさんの夢に出てくるようなケース。あるいはそれぞれ離れているのに、同じような夢を見る場合。人々の間の信心や一種のテレパシーが形作る夢。
・転夢
夢の内容が変幻自在である様。
・病夢
漢方的に、人体の陰陽五行が失調した時に見る夢。
・鬼夢
いわゆる悪夢。夢の内容が恐ろしく怖い夢。睡眠障害。睡眠の姿勢が正しくないか、身体が何らかの病に冒されている時に見る夢。
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