2012年7月5日木曜日

『周公解夢』扉文について

周公解夢』は、詞曰の扉文に始まり、解夢(夢の解釈)を項目別に分けた全27篇からなります。

まず扉文を見てみましょう。

  诗曰:
  夜有纷纷梦,神魂预吉凶, 庄周虚化蝶,吕望兆飞熊。
  丁固生松贵,江淹得笔聪,黄粱巫峡事, 非此莫能穷。


詞でいうには、夜に見る夢とは、入り乱れてまとまりのないほど様々なものが有るものだ。それは、神魂(または精神)が、その夢を見た者に吉凶の判断をさせるように預けたものである。

として、以下著名な人が見た夢の例を下記のように挙げています。

庄周虚化蝶 ⇒ 荘周、幼蝶と虚むれ
吕望兆飞熊 ⇒ 呂望、熊の飛すを兆し
丁固生松贵 ⇒ 丁固、貴き松が生ず
江淹得笔聪 ⇒ 江淹聰し筆を得て
黄粱巫峡事 ⇒ 黄粱、巫峽の事

その上で、「紛紛たる夢はこれだけにきわまるものではない。」で締められています。

『周公解夢』の成立過程は定かではありませんが、「古から中国に伝わる夢判断、夢占いの集大成」であることは間違いなく、この全文とそこから派生した様々な解釈が誕生し、現在までに体系化されています。この全文はだから重要性がたかくなりますが、その中で上げられた五つの夢の実例は、『周公解夢』の性質を示す重要な鍵を握っていることが考えられます。

少なくとも、「古から中国に伝わる夢判断、夢占い」において、代表とされる五つの夢であることは間違いなく、まずはその五つの実例を見ていきましょう。

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